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2018年度の神奈川県入試(全日制)の傾向と今年度の神奈川全県模試について

2月14日に実施された神奈川県公立高校共通選抜入試(全日制)では、昨年度の入試から導入された「マークシート」による解答形式の問題が少し増加し、文章などを記述して解答する問題が減少しました。しかし、全体的にはむしろ難しくなり、複数の知識、あるいは広範囲にわたる知識を活用しながら、問われている内容に対して的確に解答する「思考力」や「判断力」が、今まで以上に求められました。この傾向は、入試制度が大きく変更された2013年度の入試から続いていますが、今年度の入試ではやや深化しており、次年度以降の入試でも引き継がれていくと思われます。よって、まずは知識が多く身についているか、そして、その知識を活用して分類・整理、あるいは分析・数的処理を行うという「思考力」を、的確な「判断力」のもとに発揮して正解を導く力が求められています。また、出題数は減少したものの、文章などを記述して解答する問題においては、資料を正確に読み取り、筋道を正しくふまえたうえで、今まで以上に深い知識や、知識を発展させた「思考力」を用いて解答する必要がある問題が出題されており、高いレベルでの「表現力」が求められました。このような出題は、概して、「問題解決能力」を測ろうとしていると考えられ、積極的にものごとに取り組む姿勢が問われていると考えることができます。

 教科ごとの内容に目を移すと、大設問の配列や配点に大きな変化はありませんでした。しかし、小設問の数や配点、小設問ごとの選択肢の数、数値を記入する形式と選択肢から選ぶ形式の入れかえなど、細かい部分では変化が起こっています。
以下に、今年度の入試について、昨年度からの変化を中心に、教科別に記載いたします。

◇英語

◎全体:リスニングが2点増え、適語選択が各2点→各3点、語順整序(並べかえ)が各3点→各4点になり、英文を記述して解答する形式が3題→1題、資料を含む文の読解(今年度入試の問7)が3題→2題になりました。

  • リスニング:ある部分が聞き取れれば解答できる出題がほぼなくなり、どの問題も文脈をきちんとおさえ、選択肢の内容を短い時間で読み取る必要性が高まりました。また、英文記述がなくなり、数値計算と文脈に沿った単語記入の形式になりましたが、聞き取った内容をもとにした数的処理や、述べていない単語を記入するなど、聞き取った情報を発展させる力が求められました。
  • 英作文 :未来における受動態を盛り込んだ疑問文を記述するという、ふだんあまり目にしない内容が出題され、英語に幅広く接しているか、学習した文法や文章構成の力が備わっているかが問われました。
  • 長文読解:説明的長文(今年度入試の問6)と、会話的長文(今年度入試の問8)の文章量は少し増加したものの、問7が1題減少したことで、読み取る分量は昨年度入試とほぼ同じでした。また、問6と問8においては、解答形式に少し変更があったものの文章そのものの難度は例年とさほど変わらず、英文を時間内にきちんと読み取る力、および、文章内容と資料を照らし合わせて正解を導く力が求められました。

◇数学

◎全体:計算問題が、数値記入形式→番号選択(マークシート)形式に変更され、各大設問の最後にある難度が高い問題が、逆に、番号選択形式→数値記入形式に変更されたことで、全体的に難度が上がったと思われます。また、図形の証明は、すべてを記述する形式から部分を穴埋め(2か所)する形式になり、証明のあとに角度を求める問題が出題されました。

  • 単問形式:問3では、(ア)で相似と三平方を組み合わせて解く難度の高い問題が出題されました。補助線などを記入しつつ、解答への筋道をきちんとつけていく力が求められました。
  • 関数  :(ウ)では、図形の性質(線分の比と面積)を利用しつつ、正確に計算を進めていく力が求められました。
  • 確率  :長い問題文を「例」も含めて理解し、正確に作業をする力(6×6の表などをつくる力)が求められました。
  • 空間図形:(ウ)では、長さを求めるために、図形のどの部分を抽出するのか、また、その抽出した図形を正確に書き出す力が求められました。
  • 証明  :「4点が同一円周上にある」という、ふだんあまり目にしない内容の記入が出題され、証明という流れの中に、図形の性質を入れ込んで理論を形成していく力が求められました。

◇国語

◎全体:小説文が長くなり、論説文では文章を記述する問題が出題されませんでした。記述問題は1題になり、作業量は減少しましたが、各選択肢の正誤を判断する力は、昨年度よりも高いレベルで求められました。

  • 漢字  :熟語を選ぶ問題では、同じ漢字含む熟語が例文として4つ提示される形式になりましたが、出題された問題文や選択肢の文で用いられた漢字はほとんどが小学生配当のものであることから、難度は高くありませんでした。
  • 古文  :本文の各行の右側に書かれた現代語の訳がやや少なかったものの、設問はさほど難しくなく、大意を把握するという従来の方向性の通りに読み取る力が求められました。
  • 小説文 :文章量が増加し、2つの波線部の表現がもつ効果を選ぶなど、新しい出題形式が見られましたが、主人公の心情は追いやすく、各選択肢においてきちんと正誤判断を行う力が求められました。
  • 論説文 :文章そのものは例年と比べてやや読みやすいものになりましたが、述べている内容は決して簡単ではなく、きちんと読み取って分類・整理する力が求められました。また、記述問題が出題されなかった分、2つの語句を本文中から抜き出す問題が出題されました。
  • 資料を含む文:記述問題は、生徒が述べた意見をまとめる形式から、資料の内容を記述する形式に変更され、会話文の内容をふまえたうえで、資料からどんなことが言えるのかをまとめる力が求められました。

◇理科

◎全体:問1~問8の順序や出題形式に変化はありませんが、例年通り、知識にもとづいて理科的に深く思考する問題が多く出題されました。また、文章を記述して解答する問題が2題→1題になりました。

  • 単問形式(問1~問4):
    問2(イ)における化学反応式、問3(ア)における心臓のはたらきなどは、複数の知識をうまく活用して正解を導き出す形式である一方、問1(ウ)における浮力、問4(ウ)における透明半球上の軌跡などは、用いる知識は多くないものの、問題文中に書かれた内容を理解し、因果関係を正しく推測して結論を導き出す力が求められました。
  • 物理(問5):オームの法則や発熱量についての理解が、グラフの内容の正しい理解を含めて求められ、電圧・電流・抵抗・電力・電力量について、問われた内容に従って正しく結論付けていく力が求められました。
  • 化学(問6):イオンへのなりやすさについて、実験や実験結果についての会話文を読み、どのような実験をすれば導き出したい結論が得られるのかが出題されました。
  • 生物(問7):葉緑体のない「ふの部分」で蒸散が起こるかどうかという、ふだんあまり目にしないテーマを題材にして、問6と同様に、どのような実験をすれば導き出したい結論が得られるのかが出題されました。
  • 地学(問8):2つのグラフがかかれた図において、どちらが気温でどちらが湿度かを正しく判断し、そのうえで正しい解答を導き出す形式の問題が出題されました。

◇社会

◎全体:問1~問6の順序に変更はなかったものの、かなり広範囲にわたる知識が求められ、その知識にもとづいて思考し、正解を導き出す力が求められました。文章を記述して解答する問題は、15字以内で記述する形式の問題が1題出題されたのみで、長い文章を記述する形式の問題が2題ともなくなりました。しかし、選択肢を選んで解答する形式の問題の難度が高くなり、全体的に難しくなったと思われます。

  • 地理  :時差に関する問題が、略地図と、生徒がインターネット通信をした会話文の内容にもとづき、どの生徒がどの都市に住んでいるかを選ぶ形式になりました。また、促成栽培と抑制栽培が盛んに行われている都道府県名、および、それらの栽培方法で生産された農作物のグラフの読み取りなど、知識と資料から結論を正しく導き出す問題が多く出題されました。
  • 歴史  :昨年度は1題も出題されなかった「並べかえ」の問題が、「6択」や「該当するものを全て選び出して並べかえる」などの形式にて4題出題されました。時代ごとの概要を把握するとともに、それぞれのできごとの意義や、それに関連したことがら、そのあとに起こったできごとなどをきちんと理解しておく必要がありました。
  • 公民  :一票の格差や貨幣の価値、年齢階層別の農業就業人口など、時事的な内容を含めた政治・経済の広範囲にわたる知識と、その知識を用いて正しく結論を導く力が求められました。

◇特色検査(筆記型)

県内の9校で実施された筆記型の特色検査においては、全体的に、文章などを記述して解答する問題が少し減少し、選択肢から選ぶ問題が少し増えました。難度はほぼ例年通りであると思われ、文章をきちんと読み取り、資料などから言えることを、問題文で問われている内容と結びつけて正しく解答する力が求められたのも例年通りであると思われます。知識にもとづく問題はさほど多くはないものの、得点源になるため確実に正解しておく必要があり、文章や英文から情報を読み取り、正しい方向へと思考を展開していく力が求められています。また、数理パズル的な問題では、条件を整理して場合分けがもれなくきちんとできる力や、空間把握能力が求められました。60分または50分で解答しなければならないわりには分量が比較的多く、例年通り、「正しい思考にもとづいた正確な作業力」が求められています。

知識にもとづいて正しく思考する問題は、次年度以降、より深化して出題されると考えられます。今年度の入試では、文章を記述して解答する問題が減少して、解答を記述するという作業時間が短縮された分、選択肢を選ぶマークシート形式の問題の難度が上がり、知識を正しく活用する力が今まで以上に求められました。このような力は短時間で習得できるものではなく、スポーツなどと同様、ふだんからの練習が必要です。学校での学習時間を大切にし、学校での学習内容をきちんと理解するとともに、宿題や学校のワークをきちんと進め、自宅での学習、あるいは学習塾での学習を地道に積み重ねていくことが大切です。また、興味をもった内容については、インターネットで調べたり、本を読んだり、表やグラフなどを作成したりして、自ら「問題解決能力」を鍛えていくなかで、「思考力」「判断力」「表現力」を高めていくと効果的です。

神奈川全県模試では、神奈川県入試のこのような出題傾向をふまえ、「知識」「思考力」「表現力」を問う問題を中心として、実施される時期に応じて得点力がつく出題をしていきます。また、特色検査対策模試では、深い思考を問う問題を中心として、5教科の枠にはまらない出題に対応できる力がつくような出題をしていきます。さらに、過去30万件以上の受験結果データにもとづいた合格判定は、多くの中学校の先生方、そして多くの学習塾の先生方から信頼をいただいており、受験生や保護者の皆さまが志望校をお決めになる際に、大いに役立つものとしてご利用いただいております。

来年春の第一志望校の合格に向け、是非、神奈川全県模試をご利用ください。

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