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2020年7月の神奈川全県模試をふりかえって《今年の夏休みの過ごし方 》

 今年の夏休みはいつもよりずっと短いですが、中学生活最後の夏です。有意義に過ごしましょう。この時期は「自主的」に学習することがとても大切ですし、高校受験に向けて「自主的」に学習する習慣を身につける、絶好の機会でもあります。まず、学習のペースを決めましょう。学校でのペースをくずさずに、日中は「50分間の学習」+「10分間の休憩」を繰り返し、昼食や放課後の時間も設けると良いですね。つぎに、学習したい事柄を、大まかでもいいので決めましょう。8月第1週は苦手の○○を学習する、8月第2週は中2で学んだ□□を復習するといった計画を立てて、あとはそのテーマを一歩ずつ進めていくだけです。

 7月実施の神奈川全県模試では、複数の知識を尋ねたり、文章や資料の読み取りの難度を少し高くして、基本的な力を確認すると同時に、やや応用的な出題を増やしました。各教科の平均点は以下のとおりです。

英語:51.1点 数学:38.2点 国語:55.8点 理科:42.8点 社会:40.7点 計:228.5点 特色検査:46.1点

 各教科の一問ごとの正答率から、正答率が低かったものを中心に、出題の内容や求める力などを以下に記載いたします。ぜひ参考にしてください。

①[英語]問5 正答率16%〔英作文〕絵と文から適する英語を書く
②[英語]問8(ウ) 正答率21%〔対話文読解〕内容が一致するものを選ぶ
③[数学]問3(ウ) 正答率 2%〔平面図形〕辺の比による三角形の面積
④[数学]問5(イ) 正答率 1%〔確率〕二等辺三角形になる確率
⑤[国語]問一(ア)2 正答率15%〔漢字の読み・熟語〕「知己」の読み取り
⑥[国語]問五(イ) 正答率27%〔資料等の読解〕グラフと文章の理解と記述
⑦[理科]問1(イ) 正答率15%〔物理〕鏡にうつる像
⑧[理科]問5(イ) 正答率 5%〔物理〕並列つなぎにおける電圧と電流
⑨[社会]問2(キ) 正答率 8%〔日本地理〕耕地、水田、林野面積のグラフ
⑩[社会]問3(ア) 正答率 6%〔前近代史〕「400(年)、301(年)」の記入
⑪[特色検査]問2(エ) 正答率14%〔国語〕文脈に沿った言葉を選ぶ
⑫[特色検査]問3(ア)(ⅱ) 正答率 1%〔数学〕完成させた巣箱の体積

 ①の英作文では、空欄前後の絵と会話、条件を手がかりに英文を作ります。店員が「もちろんです。試着室はあちらです。」と答えていることから、「それを試着してもいいですか?」と発言したことがわかります。「試着する」や他者に許可を得るための表現など、教科書にある「場面ごとの会話表現」を使えるようにしておくと良いでしょう。②は本文の内容に合ったものを選ぶ問題です。会話の流れを理解しながら、発言主と発言内容を
正しく読み取り、正解を選ぶときには必ず根拠を探し出す習慣を身につけることが大切です。

 ③は面積比を利用する問題です。高さが分からない⊿BCDの面積は、直接求められません。そこで、⊿BCDと⊿BEDが合同であり、かつ⊿BEDと⊿AEDの高さが等しいことを利用するのです。すると、3つの三角形の面積比が、3:3:5であることがわかります。3つの三角形を合計した面積が12平方cmであることは容易にわかるので、あとは比に当てはめるだけです。④は確率からの出題でした。図形と組み合わさっていたため、大変難しかったようです。組み合わせが36通りであることは(ⅰ)と同じですが、APQがつくる三角形が二等辺三角形になるか(どの辺の長さが等しくなるか)には、3つのパターンがありました。まずパターンを見抜いた上で、何通りあるのかを正確に数える必要がありました。

 ⑤は漢字の読み取り問題です。来春の入試では、中学3年生で新たに学習する漢字が出題から除外されます。これで簡単になるなどと侮ってはいけません。今回の「知己(ちき)」はこれには該当しないからです。漢字は易しくても、少し変わった読み方をする熟語に注意をして、中学2年までの漢字を復習しておきましょう。⑥の記述問題は、まず何を問われているのかをしっかりつかみましょう。今回は、釣り市場を拡大する際に「三十歳~四十九歳の男性に注目するのがよい主な理由」です。その上で、指定語句や空欄の前後をヒントに資料を読み取り、試し書きをしてみましょう。完成したら空欄の前後と一致しているかを必ず確認しましょう。

 ⑦のポイントは、2枚の鏡が合わさった部分の像がどのように見えるかです。反射が1回だけならば、見える像は左右が逆になります。したがって、2回反射すると元どおり(実物と同じ)になります。頭の中だけで理解できないときは、実際にやってみると良いでしょう。⑧では、知識として、電流・電圧・抵抗の3つの関係、直列つなぎと並列つなぎで、これらの3つがどのように変化するかもしっかり覚えておきましょう。(ⅰ)のbc間には豆電球などの大きな抵抗がない(0Ω)ため、電圧=電流×抵抗により、0Vになります。また、並列部分の電流の和は、回路全体の電流と等しくなります。

 ⑨は知識ではなく、数値の意味を理解しているかを問う出題でした。問題文から、耕地面積率=耕地面積÷総土地面積、水田面積率=水田面積÷耕地面積、林野面積率=林野面積÷総土地面積であることがわかります。したがって、「X 全国の総土地面積に占める水田面積の割合...」は、全国の耕地面積率×水田面積率で求められます。また、「Y ...耕地でも林野でもない土地...」は、1-耕地面積率-林野面積率で求められます。数値の意味を正しく理解し計算できれば、社会科的な知識がなくとも正解できます。⑩の「世紀」は、100年間を1つにまとめた年代の数え方です。したがって、西暦1年から100年までが1世紀になります。百円玉1枚でできる買物の範囲(1円~100円)と考えればわかりやすいでしょう。問題の「紀元前4世紀」を百円玉4枚と考えれば、300円は百円玉3枚で足りるので、301円~400円になります。

 ⑪を正解するには、筆者の論理をしっかり理解する必要がありました。「自然科学においても微妙な思考は母語でせざるを得ないとするならば、日本語がその言葉でもって科学ができるような言葉であり続けてほしい」という主張と、正解の「(それに欠かせない条件とは、日本において、)外国語から日本語に翻訳されること(が学問でも盛んであり続けるということ)」との間には、論理の階段が何段かあります。自然科学はグローバルなものである⇒それが日本語で表現されているとは限らない。⇒自然科学においても微妙な思考は母語(日本語)でせざるを得ない⇒外国語から日本語に翻訳されることが学問でも盛んであり続ける必要がある、となります。⑫の難しさは、求積に必要な寸法を正しく把握することにあります。どの板が巣箱のどの面に使われているかを判断し、板の厚さを引いた内部の寸法を計算します。完成図に判明した寸法を書き込んで、数値を誤らないようにする作業が必須です。

 夏休み中に高校のオンライン説明会に参加しましょう。意中の高校だけでなく、比較のために複数の高校を見ておくと良いでしょう。「行きたいな」と思える高校が見つかったり、その気持ちが強くなったりすると、学習の励みにもなります。目指す高校が決まったら、合格するために必要な学校成績(内申点)や入試の得点がどれくらいなのかを調べて、入試までの約7か月間の目標を定めておきましょう。学習の成果はすぐには現れないことが多いですが、きちんと学習していれば必ず結果になって現れます。自分の将来をイメージしながら、行きたい高校の合格に向けての学習を通して、この夏を制していきましょう。

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